郷土・文化
しまコンシェルジェ~龍郷編
「しまコンシェルジェ」講習に参加しました。奄美を知り、学ぶこの講座。毎回奄美大島内各市町村で開催ですが、今回は龍郷町でした。
午前中は座学で、円集落出身の圓山和昭さんが民俗学的観点から円集落を語りました。
トネヤ、カミミチ、アムィゴ、ユタ、ノロ…私の大好きなジャンル。
どこかで学んだのではなく独自に興味を持ち、研究して高齢者への聞き取りを行っているという圓山さんの話は、非常にわかりやすく親しみやすく、感じたことをそのままの言葉で話す表現も、好感が持てるものでした。
座学終了後には多くの質問も寄せられ、みな興味関心をそそられたようです。
あのように、自分の興味を持ったものを私利私欲や計算もなく突き詰めていくことは、素晴らしいことなのだと思います。
その後は秋名集落へ移動。
秋名といえば、国指定無形文化財のショチョガマ・平瀬マンカイや、奄美大島随一の水田地帯で有名な、静かで穏やかなシマですが、ここの民家軒先にある「琉球石垣」を見学に行きました。

その存在すら知らなかった私は不勉強なのでしょうか。
しかし、文化財指定もされていなく、それはやはり今も人の住む民家であることが観光スポットとして詳らかにされなかった理由である気がします。

しかし、15世紀ごろのものとされる琉球石垣は、本当に素晴らしいものでした。
琉球から招いた職人によって施される高度な技術。サンゴ石を使い、一分の隙もなく積み重ねられた強固な壁。
わかるでしょうか…ピタッと合わさった継ぎ目。

どれだけの労力とお金がかかったのか…よほどの有力者であったことは間違いないでしょう。
本当に一見の価値ありです。ただし、くれぐれも民家であることに注意しなければいけませんね。騒がず、当然敷地内に勝手に立ち入ることは許されません。
大島紬村も訪れました。ハンカチの泥染め体験。久方ぶりの泥染め…とても手軽でした。
山の中の泥田で繰り返し染めを重ねていきます。
収穫、多かったですね。バスで移動中も役場担当者が、町内のさまざまな情報を解説してくれ、割合よく知っているつもりだった龍郷町のことを、実は全然知らなかったのだと、気づかされました。
長い歴史の積み重ねでできているのに、新しく上塗りされた部分のみが可視範囲であることが多いのです。
しかし、その後ろにある歴史の断片は、今もきちんと残っていて…自然に飲みこまれて見えなくなっていることも多いのですが、確かにそこにある。
みな「今」のPRに必死ですが、一見では知ることのできない「昔」のことこそ、知りたい、おもしろい、と思うのは私だけではないはずです。
