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『想いをひとつに』 ついに始動!【唄島プロジェクト】豪華アーティストが集結!
洋上に浮かぶ、小さな島、奄美大島。こんもりとした豊かな森と美しい海に恵まれた小さなこの島は、いまさまざまな方面から注目を集めています。
島に吹き込もうとする大きな風。
それと同時に、私たちシマッチュたちが抱くシマへの想いも、どんどんと形を変えてきているのではないでしょうか。
そんな「いま」のタイミングを捉えた、ひとつの大きなプロジェクトが発動しています。
「唄島プロジェクト」
奄美出身の島唄の唄者、アーティストが集結して、ひとつの唄をつくりあげるプロジェクトです。
このプロジェクトに参加するアーティストが集結し、5月29日に奄美市名瀬の大浜海浜公園で記者会見が行われました。
(写真・文 しーま編集部 麓卑弥呼)
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官民一体となって『紡ぐ』プロジェクト
今回発表された「唄島(うたじま)プロジェクト」は奄美市の事業。奄美出身アーティストらによって、ひとつの楽曲を制作するというものです。
本プロジェクトの総合プロデュースは麓憲吾さん(有限会社アーマイナープロジェクト 代表取締役/NPO法人ディ 代表理事)。楽曲プロデュースは、東京出身でありながら奄美に移住し、作曲・演奏活動を行っている村松健さん(作曲家・ピアニスト)。
参加するアーティストは、奄美大島出身で、島内外で活躍する15組。
すでにレコーディングは始まっており、10月上旬のCDリリースを予定しています。
豪華すぎる記者会見
記者発表として用意された会場は、大浜海浜公園の芝生。
梅雨時期にも関わらず、まさかの大・晴天。
目の前には、テレビでしか見たことのない島出身アーティストが大集結しているにもかかわらず、あまりの日差しの強さと自然しかない周辺環境に、なんとも和やかな空気感が漂います。
島人同士だからでしょうか。なんだか昔から知っている人たちばかりのような、穏やかな雰囲気で記者会見がスタートしました。
まずは麓さんがあいさつ。
「奄美が目指す世界自然遺産を見据え、自然や文化への価値を見直す機運を上昇・盛り上げるために企画。来る大きな観光の波を前に、守るもの、語り継いでいくものがなにかということを楽曲を通じて考えたい」と話しました。
続いて村松健さん。
「元ちとせさんをはじめ、アイコンたる島出身アーティストが世の中を席巻してきた。そんななかで感じてきたことがある。それは”素材”ではなく、”純島産”の”完成品”を提供したい、音として放ちたい、ということ。
まずは島人が島の文化を意識してもらえるような。世界に発信していけるような。シマで頑張っている人たちに共感してもらえるような。そんな音楽を作っていこうでぃ、という話になった。
レコーディングが始まり、島の未来を感じてもらえるサウンドになっている、と感じている。
回り道をしても、この地で音を放つ、ということをやりたかった。
乞うご期待です。」
そんな熱い想いを受けて、発表された楽曲のタイトルは
「懐かしい未来へ」
どんな未来がきても変わらない、大切な「なつかしい」と感じる島の想いを共有したい、と想いを込めました。
この地に集結したアーティストの想い
続いて、アーティストがひとりひとりあいさつ。
この日参加したのは、元ちとせさん、中孝介さん、カサリンチュさん、城南海さん、RIKKIさん、里アンナさん、我那覇美奈さん、中村瑞希さん、前山真吾さん、楠田莉子さん、森拓斗さん、西平せれなさん、サーモン&ガーリックさんの14人。
このほか、レコーディングにはYANAGIYAVさん、我自由丸Sさんを加えて全15組が参加する予定です。
「きっと、ずっと歌い継がれる歌になる」
(カサリンチュたつひろさん)
「島でのレコーディングは初めて。東京にいながらいつも島の自然の素晴らしさを感じている。これからも唄を通じて島の魅力を伝えたい」
(城南海さん)
「唄で島の大切さを改めて見直し、みんなで集まって唄えたことをうれしく思います。次世代に新しい音楽、新しい見方を伝え、古き良きを伝えていけたら」
(元ちとせさん)
「奄美のためにできることをいつも考えている。奄美のよさ、忘れてはいけないことを唄で伝えていければ」
(我那覇美奈さん)
「『なつかしい』は奥深いもの。未来に聞いても、どこか『なつかしい』と感じるような、そんな曲になると思う」
(中孝介さん)
「次世代が、奄美に生まれてよかった、と胸をはれる楽曲を作っていきたい」
(前山真吾さん)
「最年少で緊張が止まらない。あこがれの先輩たちがまわりにいて、一緒に参加できることが光栄」
(楠田莉子さん)
「歌詞を見て、ただの話題づくりではない、熱いものを感じた。曲をみんながどう思うのかがとても楽しみ」
(西平せれなさん)
想いも、気温も、最高潮。汗をふきながら、それぞれの想いを語ってくれました。
並ぶのは、奄美出身ではありながらも、それぞれのフィールドで存分に活躍しているアーティストたち。
忙しい活動スケジュールを調整してこの場に集結した「シマッチュ」たちの想いはすでにひとつにまとまっている気がしました。
想いをカタチにするための「音楽」
楽曲は、ひとつの曲のパートを分けて、アーティストが歌い、最後は全員で歌うパートもあるといいます。
「曲を作り、アーティストを選んだ時に、曲のどの部分にどのアーティストに歌ってほしいのかがすでに明確だった。
それぞれらしく、自由に歌っていただけているのでは」と村松さん。
楽曲は約6分半。
CDは、販売するほか、売り上げの一部を自然保護・文化活動に寄付する予定。
またプロモーションビデオの制作やテレビ局と連動した番組制作も企画。カラオケ楽曲としての登録も行う予定です。
「奄美に関わるなかで、島外にいる人、島内にいる人、それぞれの想い、考えのピントをあわせたい、と感じていた。そこがそろっていないと、『奄美をどうしていくか』という議論が深まっていかない」と麓さん。
「想い」という抽象的な感情を共有するために、
「唄」という具象的な形をつくる「唄島プロジェクト」。
私たちの耳に届くまでにはあともう少し時間がかかりますが、
目に見えない「想い」が形になるであろう、新しい音楽の誕生を心待ちにしたいと思います。
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「「唄島」あります♪ ~奄美大島~」(ASIVI)
「「唄島プロジェクト」始動」(奄美新聞)
「唄島プロジェクト〜」(カサリンチュ公式ブログ)