経済・社会
奄美の伝統建築に宿泊する~【伝・泊(でんぱく)】プロジェクトスタート!

奄美大島の集落ならどこにでもあるような、昔ながらの島の家。
しかし、一歩なかに入ると少し様子が違う。
黄色や青にコーディネートされた壁。
洗練されたアメニティ。
古きと新しきが調和した、落ち着いた空間。
奄美大島北部、奄美市笠利町赤木名ではじまった、「伝・泊」(でんぱく)による宿泊施設だ。
「伝・泊」とは奄美大島の伝統的・伝説的な建築を残すことを目的に、宿泊システムを組み込んだ宿や活動のこと。
空き家・古家に適宜リノベーションを施し、昔ながらの空間を残しながらも現代的な快適さと洗練されたフォルムを融合させ、それを魅力として提供する、新しいスタイルの宿泊施設が今夏、誕生した。
宿泊予約を受け付けているほか、さらに活動を広げるべく、伝・泊に活用できる空き家情報を募っている。(問い合わせ先は記事最後に掲載)
(文・写真 しーま編集部 麓 卑弥呼)

この「伝・泊」システムは、古民家を無償でリフォームし、大家には賃貸料を払いながら宿泊施設として機能させ収益を得ていくもの。

手がけるのは、奄美大島笠利町出身の建築家・山下保博さんが代表を務める奄美設計集団だ。
伝泊について、山下さんは「10年くらい前から構想はあった」と話す。
東京で、「古い銭湯が壊されていくのが忍びなく、これをどうにかして残せないか」とチームを作ってプロジェクトをスタート。と同時に奄美でもリサーチをはじめ、いち早く笠利でオープンにこぎつけたという。

ここで気になるのは、"奄美の伝統建築"。昔ながらの"島のおうち"といえば、大体想像はつくが・・・、それを建築学的に定義するとどのようになるのだろうか?

山下さんによると、奄美大島の伝統的な建築の特徴は以下の通り。
一、台風対策の珊瑚石や生垣・防風林やブロックの塀
二、分散型の配置計画
母屋、水屋、家畜小屋、納屋、便所などがバラバラに敷地内に配置されている。
三、平屋で入母屋の屋根形状
四、高床
東南アジア地域特有の高床式が多く見られる。湿気対策と台風の風を逃すことが目的。
五、ヒキモン構造
台風対策の一環。束石の上に乗せただけの柱が土台を貫通して梁まで伸びている
六、独特の平面計画
七、奄美の素材
二、分散型の配置計画
母屋、水屋、家畜小屋、納屋、便所などがバラバラに敷地内に配置されている。
三、平屋で入母屋の屋根形状
四、高床
東南アジア地域特有の高床式が多く見られる。湿気対策と台風の風を逃すことが目的。
五、ヒキモン構造
台風対策の一環。束石の上に乗せただけの柱が土台を貫通して梁まで伸びている
六、独特の平面計画
七、奄美の素材

なるほど・・・ 台風や温度、湿気など奄美独自の環境に対応しているのはもちろんのこと、家族の形や文化風習も直接的に反映されているのが家屋。
昔の暮らしを想像しながら古民家を見てみると、新しい観点の発見があるかもしれないなぁと感じた。

ということで、さっそくおじゃましたのが伝・泊1棟目となる「FUNA-GURA」。
赤木名の集落内にあります。

黄色ののれんがいい雰囲気。
おじゃましまーす。
新築にはない、やわらかな雰囲気がそこかしこに。

廊下は「イスノキ」という奄美特有の材料でできているのだとか。素足でも心地よい♪
宿泊は1棟貸しで、97㎡、6部屋構成。伝・泊では、それぞれの部屋を役割で名づけているのが面白い。
【寝(ね)ドコロ】

ごろりと横になり、音楽を聴きながらゆっくりとお酒を楽しめる大人のスペース。ワインセラーも完備!
【読(よみ)ドコロ】

奄美のおすすめ本や静かな時間を楽しめる本をセレクト。のどかな庭や集落風景を眺めながら思う存分、読書にふけることができる。
【浴(あび)ドコロ】

快適な空間となったバスルーム。タオルや備品も用意され、奄美の天然植物素材を原料とした化粧品も用意されている。

【食(たべ)ドコロ】

3つの窓があるなんとも明るいスペース。朝起きて、この部屋で日を浴びながら窓を開け放って朝ごはんを食べる・・・想像しただけでなんとも贅沢!

キッチングッズ、家電は一通りそろっているので地元スーパーで買い物をして調理するのも楽しそう。アメニティや備品はできるだけ地元産で!というこだわりから、コーヒーも地元ブレンドのものをセレクトしている。

広々とした家ですが、「ゆったりと島暮らしを楽しんでほしいので、多くても家族2組までが最適」と山下さん。
気になる宿泊料金・予約は、ホームページからご確認を。


過疎化や高齢化などにより、増加の一途をたどる空き家問題。全国はもちろん、奄美でも深刻化している。
一方でLCC路線の参入などによって受け入れ体制整備が課題になっており、「伝・泊」はその両者にとって、行政とは異なるアプローチで問題を解決させる一手となるのかもしれない。
2016年度内に5棟確保しオープンさせる予定といい、「ゆくゆくは奄美群島まで範囲を広げ、30棟ほどに増やしたい」と山下さん。
そこで、「伝・泊」にご協力いただける空き家を現在募集中!
「空き家がそのままになっていて困っている」という方は、ぜひ一度相談してみてはどうだろう。
★予約・問い合わせ先は「伝・泊 窓口(奄美設計集団内)」
鹿児島県奄美市名瀬末広町1-9-202
tel:0997-57-6103 FAX0997-57-6104
Mail: amami@den-paku.com
HP: http://den-paku.com/amami/
鹿児島県奄美市名瀬末広町1-9-202
tel:0997-57-6103 FAX0997-57-6104
Mail: amami@den-paku.com
HP: http://den-paku.com/amami/
